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みんな子供時代には、秘密の場所を持っているはず
子供は、大人より秘密を持っているかも
江國さんの小説を読むようになり、中学生の時に手にした一冊。

多分、みんな子供時代には、秘密の場所を持っているはず。

秘密基地はもちろん、大人達の知らない路地裏、大きな遊具の下、庭にある木陰、神社の境内など数え切れないでしょうね。

“すいかの匂い”には、退屈した少女が過ごした、幻に似た一時が描かれています。

熱湯で濡らし、絞ったタオルで体を拭くシーンでは、脳内で爽快感が味わえます。

“蕗子さん”は、少女の家にわけあって暮らす謎めいた女性の物語です。

蕗子さんの好きな「ちょろぎ」は響きでも文中においても印象深いです。

“あげは蝶”では、自分自身に、両親にコンプレックスを持つ少女が登場します。

自分の置かれた環境の味気なさ、虚しさにうんざりした少女は、あげは蝶に誘われてそんな世界にさよならを告げます。

“はるかちゃん”は、きれいな顔をして、動作の遅さから「のーたりん」と呼ばれるはるかちゃんのお話です。

主人公は病院通いが日課の虚弱な少女であり、孤独であっても、マイペースに、ただただ周囲に追い越されていくはるかちゃんを細かく描写しています。

※この文庫本には計11の物語が収録されています。

誰にとっても、単なる過ぎ去った日々でしかないものを、江國さんは繊細に、まるでつんざくような蝉の声がそこに在るように、水面に映った日差しがきらきらとこぼれだすのが目の前に存在するように描いていらっしゃいます。

これを読めば、皆さんの脳裏にも過去に置いてきた濃密な「夏」が浮かび上がるかもしれません。

うだるような暑さの夏の夕方、涼しい風を待ちながら、傍に冷たい飲み物を置き、この本を読めたら素敵だと思います。

すいかの匂い
残酷であって綺麗でもある。

そんな不思議な空間を共存させる素敵な一冊です。

懐かしい匂いとか懐かしい人はだれにでも共感できるものであって。

それから人にはだれにもいえないことってのがあって。

その大事な部分を見抜かれた気がしてゾクっとしました。

読んでて次のページをめくるのが楽しくなるってきっとこうゆうこと。

だれにでもある幼い頃のキヲクというものを辿りながら自身と物語とをリンクすることができるので読みやすいと思います。

また、短編小説だからこそ伝わる味のよさがこの小説には詰まってる気がします。

すぅんとする感覚が残ります
11人の少女の11個のお話。

幼い少女の私だけの秘密と決めた行動や出来事が小さい子特有の無邪気さと残酷さでできている。

それは、かつて自分も経験してきた、持っていた秘密に対する後ろめたさを思い出す。

大人になってから、こんな感覚を思い出すなんて…とちょっぴり懐かしい、心もとない気持ちになる1冊です

すいかの匂い (新潮文庫)江國 香織
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