ブログ
[PR]
2026.06.12 Friday
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ストーリーの面白さと文章の美しさ
2010.10.30 Saturday
物悲しいお話ですが、こころのひだが描かれています。 挿絵も美しい。
初めての谷崎でした。イメージしていた淫靡な感じではない(これまでなんとなく避けていた理由)。滋幹の父、大納言国経に自分の気持ちを投影してみると、ちょっと耐え難い気分になってしまいます。物悲しいお話ですが、こころのひだが描かれています。
挿絵も美しい。
タイトルはあまり気にしなくてもいいかもしれない
話は冒頭から滋幹と母を主軸に描かれるのかと思いきや、始めは全く滋幹が出てこなかったりとタイトルから想像していた話とはだいぶ違った。又スタイルもどことなく澁澤を思い起こさせる風なものであった。しかしさすがは谷崎、と感じたのは難解な用語を含むのにするすると読者に読ませてしまうその力量である。谷崎の文章の美しさとはこのような部分にも現れているんだろうな、と思った。
古典を消化し創作を融合した最高の作品
平中の好色話から始まり、時平の強奪愛、そして奪われた国経の不浄観への傾斜と、話は次々に展開してゆきます。
しかし、結局は40年ぶりに滋幹が母親に会い涙する場面に集約されてしまいます。
その古典を縦横無尽に引用しながら、そこに創作の部分を見事に織り込んでいます。
そして、その文章の美しさ。
文体が古いこともあって、読みにくさがあるかも知れませんが、それを超越してしまう素晴らしい文章です。
ストーリーの面白さと文章の美しさが、古典の原作を見事に消化し、完全な谷崎文学になっています。
何十年振りかで読みましたが、やっぱり最高の作品です。
少将滋幹の母
コインケース
初めての谷崎でした。イメージしていた淫靡な感じではない(これまでなんとなく避けていた理由)。滋幹の父、大納言国経に自分の気持ちを投影してみると、ちょっと耐え難い気分になってしまいます。物悲しいお話ですが、こころのひだが描かれています。
挿絵も美しい。
タイトルはあまり気にしなくてもいいかもしれない
話は冒頭から滋幹と母を主軸に描かれるのかと思いきや、始めは全く滋幹が出てこなかったりとタイトルから想像していた話とはだいぶ違った。又スタイルもどことなく澁澤を思い起こさせる風なものであった。しかしさすがは谷崎、と感じたのは難解な用語を含むのにするすると読者に読ませてしまうその力量である。谷崎の文章の美しさとはこのような部分にも現れているんだろうな、と思った。
古典を消化し創作を融合した最高の作品
平中の好色話から始まり、時平の強奪愛、そして奪われた国経の不浄観への傾斜と、話は次々に展開してゆきます。
しかし、結局は40年ぶりに滋幹が母親に会い涙する場面に集約されてしまいます。
その古典を縦横無尽に引用しながら、そこに創作の部分を見事に織り込んでいます。
そして、その文章の美しさ。
文体が古いこともあって、読みにくさがあるかも知れませんが、それを超越してしまう素晴らしい文章です。
ストーリーの面白さと文章の美しさが、古典の原作を見事に消化し、完全な谷崎文学になっています。
何十年振りかで読みましたが、やっぱり最高の作品です。
少将滋幹の母
コインケース
PR
八月 薫の浮世艶草紙
2010.10.25 Monday
絵、ストーリー共に良し。一緒に知られざる江戸風俗も……
江戸風俗を題材にしたお話なのですが、固い話は抜きに楽しめます。
ストーリーがしっかりしている上に、八月薫さんの絵も達者なので、とにかく楽しめるはず。
知らなかった江戸風俗を読んで、へぇと思うことも少なくありません。上質な大人の読み物としてもなかなかいけます。
江戸時代の性文化の入門編として
江戸時代の性文化の入門編として、絵も官能的で非常に分かりやすいです。ただ、江戸の性分化の一面しか掲載されていないので、もっと知りたい人は消化不良になるかもしれない。より詳しく江戸時代の性文化を知りたい場合は、「江戸の性愛術」や「張形と江戸をんな、「江戸春画の性愛学シリーズ、「江戸の閨房術 などを参考にするといいでしょう(「男色関係は除きました。自分の心情的な問題です)。
エッチなのだが、歴史考証がしっかりしていて読み物としても・・
エッチですが、時代考証や解説等が入っていてバランス良い読み物となっています。女性が描いている様なので女性にも読めそうです(元来女性物?)
特に後書きの解説が原稿用紙12ページ分の長さ(4ページですが)丁寧に書いてあり、エッチだけではない好感さがあります。
(三行半の真の意味等)
ただ、張型等強烈な物も出てくるので18禁を付けた方がよいかも。(あくまで説明ですが、それ自体強烈、、)
浮世絵春画レベルのHさもあると考えて下さい。
浮世艶草紙
グラビス
江戸風俗を題材にしたお話なのですが、固い話は抜きに楽しめます。
ストーリーがしっかりしている上に、八月薫さんの絵も達者なので、とにかく楽しめるはず。
知らなかった江戸風俗を読んで、へぇと思うことも少なくありません。上質な大人の読み物としてもなかなかいけます。
江戸時代の性文化の入門編として
江戸時代の性文化の入門編として、絵も官能的で非常に分かりやすいです。ただ、江戸の性分化の一面しか掲載されていないので、もっと知りたい人は消化不良になるかもしれない。より詳しく江戸時代の性文化を知りたい場合は、「江戸の性愛術」や「張形と江戸をんな、「江戸春画の性愛学シリーズ、「江戸の閨房術 などを参考にするといいでしょう(「男色関係は除きました。自分の心情的な問題です)。
エッチなのだが、歴史考証がしっかりしていて読み物としても・・
エッチですが、時代考証や解説等が入っていてバランス良い読み物となっています。女性が描いている様なので女性にも読めそうです(元来女性物?)
特に後書きの解説が原稿用紙12ページ分の長さ(4ページですが)丁寧に書いてあり、エッチだけではない好感さがあります。
(三行半の真の意味等)
ただ、張型等強烈な物も出てくるので18禁を付けた方がよいかも。(あくまで説明ですが、それ自体強烈、、)
浮世絵春画レベルのHさもあると考えて下さい。
浮世艶草紙
グラビス
ホラー顔負けの、愛と情念の物語
2010.10.24 Sunday
良質の痴情小説集。
寂聴さんの本は初めて読みましたが、キメ細やかで確かな表現力にホッとさせられました。
たおやかなのに型崩れしていない素敵な文章だと思います。芯が通っています。
「性」というものが生々しく描かれているのに嫌らしさがありません。
収録作品はどれもよく作り込まれた劇であり、すべての小説好きの方にお勧めしたいです。
ホラー顔負けの、愛と情念の物語たち
今や老境に達しておられる瀬戸内寂聴さんが、まだ30代、【瀬戸内晴美】の時代に書いた短編集。
対談などで、しばしば「受賞後第1作で『子宮作家』なんて言われてね、その後何年も純文学誌では干されちゃったのよ」と話されるくだんの作品「花芯」のほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」の5編からなる。
【瀬戸内寂聴】から入った世代にとっては、【晴美】(それも初期の)頃の作品を読むと、まずは驚かされる。今や“慈悲”の心境に達した寂聴さんも、かつては“渇愛”の中で、自身の奔放な恋愛遍歴と重なるような“色気”と“生命力”が迸る、触れたら火傷するような「愛」と「業」を抱いてひた走る女性を描いていたのだ。
が、当時の場合、「色気と生命力と愛と業」を書く女性=『子宮作家』呼ばわりされるのだから、何と子どもじみた文壇だったことか。しかし、こういう開拓者たちがいるからこそ、現在、その影響を受けた人たちが一線で活躍しているのだ。山田詠美など、フォロワーは後を絶たない。そして、寂聴さん自身は、文化勲章はじめ、長年積み重ねてきた素晴らしい功績がようやく認められる時代となった。
それにしても、表題作『花芯』のラストの一文は素晴らしい。
当時の文壇の人たちが、赤面しちゃって『子宮作家!』と言うしかなかったことも、何となく…分かるような気がする。男性が読んだら、気持ち悪さすら感じるのではないだろうか?女の私は、怖かった。リアルに想像してしまった。ホラー顔負けの〆の文である。ぜひ、手に取って読んでいただきたい。
洗練された筆致はないが、そこには、女の愛と情念が詰まっている。
なお、この作品の10年後に発表した『死せる湖』では、一転して絶賛される。“渇愛”の系譜に連なる完成形がここに。
女の業、女の性
女の性、女の業を描き続けていた瀬戸内晴美さんの、特に強烈な初期短編、表題作「花芯」ほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」を収めています。女たちの、繊細すぎる感性や壮絶な意志、それらを、どっぷりと読者が浸されるかのような筆致で描いています。
花芯 瀬戸内 寂聴
ゲラン
寂聴さんの本は初めて読みましたが、キメ細やかで確かな表現力にホッとさせられました。
たおやかなのに型崩れしていない素敵な文章だと思います。芯が通っています。
「性」というものが生々しく描かれているのに嫌らしさがありません。
収録作品はどれもよく作り込まれた劇であり、すべての小説好きの方にお勧めしたいです。
ホラー顔負けの、愛と情念の物語たち
今や老境に達しておられる瀬戸内寂聴さんが、まだ30代、【瀬戸内晴美】の時代に書いた短編集。
対談などで、しばしば「受賞後第1作で『子宮作家』なんて言われてね、その後何年も純文学誌では干されちゃったのよ」と話されるくだんの作品「花芯」のほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」の5編からなる。
【瀬戸内寂聴】から入った世代にとっては、【晴美】(それも初期の)頃の作品を読むと、まずは驚かされる。今や“慈悲”の心境に達した寂聴さんも、かつては“渇愛”の中で、自身の奔放な恋愛遍歴と重なるような“色気”と“生命力”が迸る、触れたら火傷するような「愛」と「業」を抱いてひた走る女性を描いていたのだ。
が、当時の場合、「色気と生命力と愛と業」を書く女性=『子宮作家』呼ばわりされるのだから、何と子どもじみた文壇だったことか。しかし、こういう開拓者たちがいるからこそ、現在、その影響を受けた人たちが一線で活躍しているのだ。山田詠美など、フォロワーは後を絶たない。そして、寂聴さん自身は、文化勲章はじめ、長年積み重ねてきた素晴らしい功績がようやく認められる時代となった。
それにしても、表題作『花芯』のラストの一文は素晴らしい。
当時の文壇の人たちが、赤面しちゃって『子宮作家!』と言うしかなかったことも、何となく…分かるような気がする。男性が読んだら、気持ち悪さすら感じるのではないだろうか?女の私は、怖かった。リアルに想像してしまった。ホラー顔負けの〆の文である。ぜひ、手に取って読んでいただきたい。
洗練された筆致はないが、そこには、女の愛と情念が詰まっている。
なお、この作品の10年後に発表した『死せる湖』では、一転して絶賛される。“渇愛”の系譜に連なる完成形がここに。
女の業、女の性
女の性、女の業を描き続けていた瀬戸内晴美さんの、特に強烈な初期短編、表題作「花芯」ほか、「いろ」「ざくろ」「女子大生・曲愛玲」「聖衣」を収めています。女たちの、繊細すぎる感性や壮絶な意志、それらを、どっぷりと読者が浸されるかのような筆致で描いています。
花芯 瀬戸内 寂聴
ゲラン
親しい人へのプレゼントにも
2010.10.20 Wednesday
読後感が最高のファンタジー
易しい文章のなかに著者の医療への思いや生死感が伝わってきて優しい気持ちにさせてくれる小説です。ラストシーンが爽やかでずっと大事にしたい本です。
この夏あなたの心にも何かが・・・?子供達にもおすすめ。
幽霊ゴローのクールキャラがステキ! 幽霊ゴローとの出会いでエリート研修医吾郎の心に変化が起こる。・・・以外なストリーの展開が愉快で時にはドキット、わくわくしながら読めました。不思議と読み終えると自分自身の心にも何か変化が起こっていました。
夏が舞台のクリスマスキャロル?
急死してしまった若いミュージシャンだった幽霊のゴローが エリート研修医の吾郎にからみ、彼の人生観に影響を与える。あのディケンズの名作を彷彿させるファンタジー。
川渕氏のさらっとした文体でどんどん読み進めるうちにも、なぜか温かい涙がこぼれおちてしまう。読み終わった後で感動がじんわりと。
装丁、活字の組み方、イラスト こだわった作り方をしている本だと思った。親しい人へのプレゼントにもしてみたい。
吾郎とゴロー
川渕 圭一
ルナソル
明るく生きる姿が清々しい
2010.10.17 Sunday
青臭さ
在日韓国人である主人公による葛藤、恋愛、友情…。国と国から個と個へと話が展開されています。疾走感と共に青臭さのある内容となっています。
「いつか、俺が国境線を消してやるよ」
『いつか俺が国境線をなくしてやる』
生き生きとして躍動感のある文章が気持ちいい。
デビュー作とは思えないクオリティの高さ。
《在日》の人に対する日本人の偏見と差別。
それにガチで勝負する杉原少年の
たくましさと危うさに魅かれる。
日本人も、朝鮮人も、韓国人も、アメリカ人さえも
先祖の先祖のずっと先をたどっていけば同じ種だったんだよね。
それが一番言いたかったことなのではないか?
そしてそれをみんな忘れてる。
私も忘れてた。恥ずかしい‥
『いつか俺が国境線を無くしてやる』
杉原少年の言葉が心に響く。
『GO』というタイトルの意味、本の表紙裏のイタリア語の文、
冒頭のシェイクスピアの言葉、‥すべてが心にくい隠し味になっている。
爽快な作品。00'直木賞受賞作。
つよくやさしく生きるには。。。
なかなか小気味良い青春小説でした。
在日韓国人の少年の話しで、世の中の偏見に負けず明るく生きる姿が清々しいと思いました。
GO 金城 一紀
マークバイマークジェイコブス
在日韓国人である主人公による葛藤、恋愛、友情…。国と国から個と個へと話が展開されています。疾走感と共に青臭さのある内容となっています。
「いつか、俺が国境線を消してやるよ」
『いつか俺が国境線をなくしてやる』
生き生きとして躍動感のある文章が気持ちいい。
デビュー作とは思えないクオリティの高さ。
《在日》の人に対する日本人の偏見と差別。
それにガチで勝負する杉原少年の
たくましさと危うさに魅かれる。
日本人も、朝鮮人も、韓国人も、アメリカ人さえも
先祖の先祖のずっと先をたどっていけば同じ種だったんだよね。
それが一番言いたかったことなのではないか?
そしてそれをみんな忘れてる。
私も忘れてた。恥ずかしい‥
『いつか俺が国境線を無くしてやる』
杉原少年の言葉が心に響く。
『GO』というタイトルの意味、本の表紙裏のイタリア語の文、
冒頭のシェイクスピアの言葉、‥すべてが心にくい隠し味になっている。
爽快な作品。00'直木賞受賞作。
つよくやさしく生きるには。。。
なかなか小気味良い青春小説でした。
在日韓国人の少年の話しで、世の中の偏見に負けず明るく生きる姿が清々しいと思いました。
GO 金城 一紀
マークバイマークジェイコブス
最新記事
(11/04)
(11/04)
(11/04)
(11/02)
(11/02)
最古記事
(10/01)
(10/01)
(10/01)
(10/01)
(10/01)