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事実や現実にとらわれず、感覚で読む作品
江国ワールド全開
久しぶりに江国さんの作品を読みましたが、やはり江国さんでした(笑)独特な空気感、読んでいて上質な異世界に入りこめる作家さんはなかなか少ないように思います。

江国さんの作品には上質な世界が溢れていて、一見引いてしまいがちな考え方が、『それもありか…』と思わせられます。

事実や現実にとらわれず、感覚で読む作品が多く改めて江国香織という作家が好きになりました。

別れた不倫相手の家に何度も無言電話をかけてみたり…優しくて大好きな彼氏がいるのに、他に男を作っていたり…全然知らない人の葬式に参列する夫婦がいたり…現実ではそんな人間は否定されがちなのに、この本の世界ではそんなことは何も問題ではないのです。

決して下品じゃなく上質に描かれていて、緩急のない流れるような世界の一部…江国さんの描く世界で生きていけたらと何度思ったことか…短編ですので、江国さんを知るきっかけにこの本を読んでもいいかもしれません。

賛否両論あると思いますが、江国ワールドを堪能するにはいいかも。

お楽しみ江國BOX
江國さんの小説を読んで、はじめて思わず吹き出してしまうシーンや文章がありました。

 えっ、こんなのも書けるのかと。

何でもありの江國お楽しみBOXのふたを開けて、うわ?と楽しめました。

重くもなく、軽くもなくといったところでしょうか。

ふつう、年月をかけて技術は向上しても、感性は衰えていくものですが、江國さんの場合、ますます瑞々しさがまし、言葉の選択も研ぎ澄まされていくではありませんか。

この貴重な初期短編集を読んで、そう感じました。

なんて感想を作者に見られでもしたら、『災難の顛末』にある言葉「瑞々しいだなんて、私の何が分かるってのよ」と思われたりしないだろうかとドキドキしてしまう。

続編
この本はきらきらひかるの続編なのでしょうか?前編を読んでいないので、どういう展開だったのかわかりませんが、ぬるい眠りはほのぼのとした本でした。

江國さんらしい独特の優しさを感じます。

もう少しインパクトがあってもいいかなと思いますが、ほっとしたい時に読みたい本です。

ぬるい眠り (新潮文庫)江國 香織

マスカラ
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