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これはマイナーな作家や学者では不可能
2010.10.03 Sunday
メジャー作家ならではの靖国論
靖国神社論としては実に浅い。
首相の公式参拝についての論も、ある程度の知識がある人にとっては、何度も聞いた事のあるありふれたものばかりだ。
靖国論としては、どこかの著書を引用したような平凡なものばかりだ。
漫画ではあるが、小林よしのりの「靖国論」の方が深い気がする。
活字で靖国神社や、A級戦犯について論を展開するなら、もっと掘り下げられるはずである。
一方、物語としても浅い。
英霊として祀られている主人公を通し、大東亜戦争の意味や、戦後の日本の繁栄と堕落を描いているが、タイムスリップという設定が陳腐すぎるし、恋人との交流も中途半端にしか書かれていない。
大東亜戦争を生き抜いた軍人を通して戦後の日本を振り返るという物語なら、福井晴敏の「終戦のローレライ」の方がはるかに重厚で面白い。
せっかくの重厚なテーマなのに、結局、浅見光彦シリーズと同じようなアッサリ読める軽い作品になっているのが残念だ。
歴史物としても、SFとしても、恋愛物としても、全て中途半端。
色んな要素を少しずつ盛り込んでいるだけ。
数十年に渡って読み続けられるような作品ではない。
ただ、この作品が出て良かったと思える点が一つある。
一般人、特に女性で、靖国神社や、A級戦犯について、正しく理解している人は非常に少ない。
左翼系マスコミによって植えつけられた「軍国主義的なもの」という負のイメージを漠然ともっている人がほとんどだろう。
その人達に、内田はキッカケを与えた。
内田康夫という、多くの女性読者に支持されているメジャー作家が、靖国問題を取り上げた。
この意味と効果は非常に大きい。
靖国神社について、全く知識のなかった人や、誤った負のイメージを持っていた人に、この問題について考えるきっかけを与えたという意味での貢献度は大きい。
これはマイナーな作家や学者では不可能だ。
大新聞やテレビ局が、靖国神社を軍国主義の象徴にように報道し、中国や韓国の主張をそのまま垂れ流している中、メジャー作家である内田がそれに疑義を呈した事の効果は大きいはずだ。
そこだけは大いに評価したい。
どんな正論であろうが、マイナー作家が何を書いても一般国民には届かない。
靖国問題って本当は何なのだろうか
2時間ドラマではいつも拝見しているけれど、書物として読むのは何年ぶり・・・の内田作品。
22歳の武者滋はB29を迎撃、2機撃墜するが被弾し墜落・・・するはずが、現代の厚木基地にタイムスリップしてしまう。
靖国神社に奉られている本人の気持ちが、現実に語られることは無い。
だからこそ、小説という形の中で、戦争で散っていった尊い命を、どう考えていったらいいのかを、そして毎年夏になると取りざたされる首相や閣僚の参拝問題は、いったい何を見て、何を見ていないのかを、滋の言葉で、残された人々の言葉で語らせている。
「死んだら靖国で会おう」それが当時の兵士達の唯一の心の拠りどころだったなんて、純粋すぎて、哀しすぎて、涙が止まらなかった。
私の娘も滋と同じ22歳、戦争中で無く、平和な時代に生まれたことを幸せに思わずにはいられない。
そして、2度と、戦争はおこしてはならないと強く思った。
涙無しでは読めない。
本書は靖国神社を題材にしたフィクションで、戦時中の航空隊員が現代へタイムスリップするという設定で描かれています。
ストーリー自体はある程度先が読めてしまって残念でした。
しかしおそらく本書の持つ意味は、その物語の面白さというよりは現在の靖国神社が抱える問題を率直に表したところにあるのでしょう。
そしてそれを「内田康夫」という多くの人間が認めるベストセラー作家が書いたところに意味があるのでしょう。
内田氏が本書を出すことによって、これまで靖国問題に関心を持ってこなかった、あるいは関心の薄かった方たちに少しでもこの問題への興味を促すことが出来たとしたら、本書は「物語」の意味を大きく飛び越える役割を果たしたことになります。
靖国神社に祀られている当事者の気持ちを僕達は聞くことが出来ません。
そしてまた、世間一般で語られている靖国論議は当事者の方々の気持ちを全く置き去りにしたものばかりであることも事実です。
基本的に本書で語られる靖国論は「靖国神社に祀られている当事者の立場に立った」と仮定しての靖国擁護論であると思いますが、きちんとその他の反対意見の記述もあります。
それによって、立場の違いによる主張の違いもあるんだということを提示しているのには好感が持てました。
靖国論だけではなく戦前と戦後を比較した魂の荒廃を憂いているような記述もちらほらあって考えさせられました。
現代の若者にこそ読んで欲しい書ではないでしょうか。
靖国への帰還内田 康夫
チュニック
靖国神社論としては実に浅い。
首相の公式参拝についての論も、ある程度の知識がある人にとっては、何度も聞いた事のあるありふれたものばかりだ。
靖国論としては、どこかの著書を引用したような平凡なものばかりだ。
漫画ではあるが、小林よしのりの「靖国論」の方が深い気がする。
活字で靖国神社や、A級戦犯について論を展開するなら、もっと掘り下げられるはずである。
一方、物語としても浅い。
英霊として祀られている主人公を通し、大東亜戦争の意味や、戦後の日本の繁栄と堕落を描いているが、タイムスリップという設定が陳腐すぎるし、恋人との交流も中途半端にしか書かれていない。
大東亜戦争を生き抜いた軍人を通して戦後の日本を振り返るという物語なら、福井晴敏の「終戦のローレライ」の方がはるかに重厚で面白い。
せっかくの重厚なテーマなのに、結局、浅見光彦シリーズと同じようなアッサリ読める軽い作品になっているのが残念だ。
歴史物としても、SFとしても、恋愛物としても、全て中途半端。
色んな要素を少しずつ盛り込んでいるだけ。
数十年に渡って読み続けられるような作品ではない。
ただ、この作品が出て良かったと思える点が一つある。
一般人、特に女性で、靖国神社や、A級戦犯について、正しく理解している人は非常に少ない。
左翼系マスコミによって植えつけられた「軍国主義的なもの」という負のイメージを漠然ともっている人がほとんどだろう。
その人達に、内田はキッカケを与えた。
内田康夫という、多くの女性読者に支持されているメジャー作家が、靖国問題を取り上げた。
この意味と効果は非常に大きい。
靖国神社について、全く知識のなかった人や、誤った負のイメージを持っていた人に、この問題について考えるきっかけを与えたという意味での貢献度は大きい。
これはマイナーな作家や学者では不可能だ。
大新聞やテレビ局が、靖国神社を軍国主義の象徴にように報道し、中国や韓国の主張をそのまま垂れ流している中、メジャー作家である内田がそれに疑義を呈した事の効果は大きいはずだ。
そこだけは大いに評価したい。
どんな正論であろうが、マイナー作家が何を書いても一般国民には届かない。
靖国問題って本当は何なのだろうか
2時間ドラマではいつも拝見しているけれど、書物として読むのは何年ぶり・・・の内田作品。
22歳の武者滋はB29を迎撃、2機撃墜するが被弾し墜落・・・するはずが、現代の厚木基地にタイムスリップしてしまう。
靖国神社に奉られている本人の気持ちが、現実に語られることは無い。
だからこそ、小説という形の中で、戦争で散っていった尊い命を、どう考えていったらいいのかを、そして毎年夏になると取りざたされる首相や閣僚の参拝問題は、いったい何を見て、何を見ていないのかを、滋の言葉で、残された人々の言葉で語らせている。
「死んだら靖国で会おう」それが当時の兵士達の唯一の心の拠りどころだったなんて、純粋すぎて、哀しすぎて、涙が止まらなかった。
私の娘も滋と同じ22歳、戦争中で無く、平和な時代に生まれたことを幸せに思わずにはいられない。
そして、2度と、戦争はおこしてはならないと強く思った。
涙無しでは読めない。
本書は靖国神社を題材にしたフィクションで、戦時中の航空隊員が現代へタイムスリップするという設定で描かれています。
ストーリー自体はある程度先が読めてしまって残念でした。
しかしおそらく本書の持つ意味は、その物語の面白さというよりは現在の靖国神社が抱える問題を率直に表したところにあるのでしょう。
そしてそれを「内田康夫」という多くの人間が認めるベストセラー作家が書いたところに意味があるのでしょう。
内田氏が本書を出すことによって、これまで靖国問題に関心を持ってこなかった、あるいは関心の薄かった方たちに少しでもこの問題への興味を促すことが出来たとしたら、本書は「物語」の意味を大きく飛び越える役割を果たしたことになります。
靖国神社に祀られている当事者の気持ちを僕達は聞くことが出来ません。
そしてまた、世間一般で語られている靖国論議は当事者の方々の気持ちを全く置き去りにしたものばかりであることも事実です。
基本的に本書で語られる靖国論は「靖国神社に祀られている当事者の立場に立った」と仮定しての靖国擁護論であると思いますが、きちんとその他の反対意見の記述もあります。
それによって、立場の違いによる主張の違いもあるんだということを提示しているのには好感が持てました。
靖国論だけではなく戦前と戦後を比較した魂の荒廃を憂いているような記述もちらほらあって考えさせられました。
現代の若者にこそ読んで欲しい書ではないでしょうか。
靖国への帰還内田 康夫
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