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作り物ではない迫力
身を削り、命を縮める文章
車谷長吉の小説を読むのは疲れる。読むほうも金縛りに会い、真剣勝負に巻き込まれるのだから書くほうは本当に大変だろうと思う。真剣勝負は疲れるが得るものも確実に多い。作者に本当に感謝である。
印象に最も残った短編は「金輪際」でした。この最後の文だけでも立ち読みしてみたら、もう離れられなくなると思いますよ。
「児玉まで」はどこか「赤目」の習作っぽい作品で楽しい。「変」はめずらしく軽いエッセイ風だがそうは簡単にはならない、馬鹿正直な作者に共感至極。
「白黒忌」は久坂葉子という作家を読み始めるきっかけになりました。

作り物ではない迫力
車谷の作品はもう4冊目なので、少々耐性がつきました。最後の「変」を読んで、おおこれが有名な芥川賞選考委員逆恨み五寸釘事件かあ、と感じ入りました。
一人称で書かれたものに、一番迫力を感じます。こわいものみたさで読んでます。

私小説とゆう毒
著者は、「反時代的毒虫」なるものを自認しているらしい。
車谷長吉という人は、基本的に同じような話しか書かないように思う。
まるで自らの過去について言い訳を繰り返しているようで、見苦しいっちゃ見苦しい。
が、毒虫ならばそれもなっとくだ。毒虫がいくら毒を吐き出したとてただの虫になれるわけもなく、むしろ自らの罪業を重くしていくばかりなのだから。彼は鬱屈のあげく、ますます強烈な毒を吐き出してゆくことだろう。
しかも困ったことにこの毒は、麻薬のような常習性があるのだ。
ふふふふ、あなたにもおすすめするよ。

金輪際 (文春文庫) 車谷 長吉

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